「ドリアン・グレイの肖像」
やっと読み終えました。オスカー・ワイルドの代表作とも言える本作品は、とにかく難しかったです。
ドリアン・グレイの肖像若く美しい青年ドリアンは、友人バジルが描いた自分の肖像画があまりにも若く美しいのに心奪われ、その肖像画に自分の魂を売り(あるいは奪われ)、それとひきかえに永遠の若さと美貌を手にするのだが、堕落と罪深い人生を送ることになる、というのが物語の流れなのですが、抽象的な表現や記述があまりにも多い。。。
例えば、ドリアンは肖像画に魂を売った後数々の悪事を行ったらしいのですが、それが具体的に書かれているのは、友人の画家バジルを殺害したこととそれを隠すために友人の科学者アランに死体の解剖を依頼した事(後にアランは自殺を図る)くらいで、他は結局謎に包まれています。
ドリアンの友人ヘンリーは、ドリアンよりも年長で既婚者で、議論が始まると何事も逆説を唱えて聞き手を説得するという、私にはちょっと屈折した人物にうつったのですが、この人物の言う台詞こそが、ワイルドがこの小説で言いたかった事ではないかと言われています。
主要な登場人物は全て男性、主人公は若く美しいドリアンですが、オスカー・ワイルドは同性愛者だったという学者さんたちの分析があるのを後から知り、なんか納得。最初読み始めた頃はドリアンを中心に、ヘンリーとバジルの三角関係が始まったのかと思ったくらい。(全く違ってたけど)
しかし同性愛の描写だけでなく、19世紀のロンドン(この物語の舞台)や英国社会への熱烈な批判も込められていて、面白かったです。

